 |
|
|
 |
 |
 |
 |
| 婦人科腫瘍について |
| 《子宮頸癌について》 |
| 子宮頸癌は子宮の下の腟に連続している頸部というところにできる癌です。子宮頸癌には顕微鏡でみたときの分類として扁平上皮癌と腺癌の2種類があり、多くは扁平上皮癌です。 |
| <癌のでき方について> |
大多数を占める扁平上皮癌は、その前癌状態といえる異形成や上皮内癌(総称して子宮頸部上皮内腫瘍と呼ばれます)から発生します。上皮内腫瘍や子宮頸癌の発生には、ヒトパピローマウイルスというウイルスが関わっていることが明らかとなっています。前癌状態が発生してから、生命に危険を及ぼす真の癌になるまでの期間については一概に述べる事はできませんが、一般に数年の年月がかかると考えられています。勿論、例外は常にありますので、非常に短期間の内に癌となる方も一部にはある様です。
一方、腺癌という種類の子宮頸癌は、その前癌病変が見つかる事は少なく、癌になって始めて発見される事が多い癌です。前癌病変についても、まだ十分に明らかにされていないのが現状です。 |
| <症状と検査> |
症状は不正出血や帯下(おりもの)の増加などですが、癌が進行して組織が破壊されるくらいにならなければ、症状が全くない場合も多く、無症状だからといって癌でないとは言えません。しかし、子宮頸癌は、綿棒などで子宮頸部をこすり細胞を採取する細胞診という簡単な方法により見つけることができます。子宮癌の集団検診で行われるのが、この方法です。
最も多い扁平上皮癌の前癌状態もこの細胞診で容易に発見する事ができます。実際、集団検診で見つかる異常のほとんどはこの前癌状態です。この段階で、精密検査を行い、診断をしっかりつけて管理を行う事により、生命を脅かす真の子宮頸癌になる事を防ぐ事ができます。これが現在では子宮癌検診の最も重要な意義となっています。癌を見つけるだけでなく、癌となる前の段階を適確に発見して、事前に管理するという事です。
以上の理由により、全ての性交経験のある方に子宮癌検診を受けることをお薦めします。 |
| <治療> |
大多数を占める扁平上皮癌には、手術と放射線療法があり、どちらも同程度の治療効果を持っています。癌の進行の程度や患者さんのその他の状態により治療方法を選択することが原則ですが、最終的には患者さんの御希望も踏まえて、治療方法が決められます。
初期癌の場合は、できるだけ合併症が少なく、患者さんの負担の少ない縮小した手術治療が選択される様にしています。但し、初期癌かどうかをはっきりさせるために種々の検査が必要で、場合により、円錐切除術という簡単な検査のための手術が必要なこともあります。
初期癌を越えた早期子宮頸癌に対する手術としては、広汎子宮全摘出術というリンパ節も一緒に摘出する大きな手術が標準的な手術となります。この場合は、後で述べる種々の後遺症がおこることがあります。この手術を行うには一定の条件が必要であり、手術が不完全となる可能性がある場合は放射線治療が選択されることになります。
最近、放射線療法に比較的少量の抗癌剤を併用すると治療効果が増すことがわかり、放射線療法には抗癌剤を併用することが増えてきました。
少数の腺癌は、放射線療法の効果がやや落ちるため、主に手術を選択します。場合によっては、主な治療の前後に抗癌剤を使用することもあります。
治療に際しては、子宮頸癌が膀胱・直腸・尿管といった臓器のそばに発生することと、かなり大掛かりな治療が必要なため、いずれの治療も様々な合併症(治療に伴う不都合)や後遺症がおこることがあります。しかし、できるだけそのような不都合が起こらない様に、また起こっても軽度にとどまるような工夫が積み重ねられています。主な合併症、後遺症を簡単に下記に示しています。また、これらの合併症や後遺症は個人差があり、必ずしも他人の体験が自分にもあてはまるという訳ではありません。
{手術の合併症・後遺症}
尿や便が出にくくなる。腸閉塞が起こることがある。リンパの流れが悪くなるため足が腫れる。感染、等。
{放射線療法の合併症・後遺症}
放射線腸炎や膀胱炎で血尿や血便が出る。腸閉塞が起こる。
{化学療法(抗癌剤治療)の合併症}
脱毛、骨髄抑制(白血球減少、赤血球減少=貧血、血小板減少)、嘔気・嘔吐、等。 |
|
| 《子宮頸部上皮内腫瘍について》 |
| 子宮は上方の体部と下方の頸部に分けられます。子宮頸部上皮内腫瘍とは頸部の粘膜(上皮)の異常で、肉眼で見てもはっきりしませんが、拡大鏡や顕微鏡で観察すると分かる微小な異常です。ヒトパピローマウィルスというウィルスが原因と考えられています。上皮内腫瘍自体は身体の異常として自覚されることは少なく、直ちに命に関わる病気ではありません。これに対して、子宮頸部にできる癌を子宮頸癌と言いますが、これは出血の原因となったり、進行すると周囲の臓器を破壊したり、或いは遠隔転移をすることで命を脅かす病気です。 |
 |
| 子宮頸部上皮内腫瘍が問題とされるのは、これが子宮頸癌の発生に非常に関連が深く、一つの前癌病変と考えられているからです。また、上皮内腫瘍に連続して癌が存在することもあります。上皮内腫瘍は異形成と上皮内癌に分けられます。異形成はさらに程度により、軽度、中等度、高度に分けられます。変化の推移は、軽度から高度異形成に、さらに上皮内癌へと進むと考えられますが、これは一方通行の道ではなく、自然に消える場合も多いと考えられています。軽度異形成の様に異常の程度の軽いものでは、自然消退の可能性は高いことが知られていますので、通常は治療せずに定期的に経過を観察します。異形成の程度が強くなると、異常が存続することや癌の方向に向かう可能性が高くなります。高度異形成や上皮内癌は最も高度な異常の上皮内腫瘍と考えられ、浸潤癌の一歩手前の状態とも言えます。 |
 |
| <子宮頸癌の発生> |
| <子宮頸部上皮内腫瘍の管理> |
以上のことから、程度の軽いものでは経過観察することで十分ですが、程度の強くなった上皮内腫瘍に対しても治療を行うことにより子宮頸癌になることを予防することが可能です。例外的に上記の様な経路をたどらないで突然癌が発生する場合もありますが、ほとんどの子宮頸癌がこの管理方法で予防できることは国内外の研究者の一致した意見です。
治療の方法としては、必ずしも子宮を全部摘出する必要はなく、局所療法として子宮頸部円錐切除術、レーザー蒸散術、凍結療法、電気切除術が行われています。当科では、可能な場合は、まずレーザー療法を行います。レーザー療法では不十分と考えられる場合や再発した場合は手術として円錐切除術、子宮全摘出術を行うようにしています。
欧米では子宮頸癌の発生や死亡数は明らかに減少していますし、日本でもその傾向にあります。これは、以上の様な子宮頸癌になる前の前癌状態がよく管理されるようになったからだと考えられています。症状がなくても放置しないで、きちんと管理することが重要です。 |
|
| 《子宮頸部レーザー治療について》 |
レーザー治療は通常、20-30分で行われる治療です。子宮頸部を拡大鏡で観察しながら、レーザー光線を照射して、病変部を蒸発させることにより治療します。
治療中に痛みや熱感を訴えられる方がありますが、一時的なもので、耐えられない痛みではありません。また、局所麻酔を行うことにより痛みを軽減することも可能です。
治療中や治療後に蒸散を行った子宮頸部からの出血が起こることがあります。通常は量が少なく問題になりませんが、まれに止血操作が必要なことがあります。また、治療後1-2か月は一時的におりものが増加しますが、その後は止まります。感染をおこすことは極めてまれです。また、この治療の後に妊娠することも可能ですし、レーザー治療がその後の妊娠に悪影響を与えることはまず無いと考えられています。
レーザー治療後約1か月は、蒸発した組織の部分が次第に治っていく時期です。この時期には、出血や感染の原因になりますので、性交渉を控えて頂きます。治療当日以外は、入浴は構いませんが、1週間程度はかかり湯か、シャワーの方が無難です。出血が無ければ、治療の翌日より、お仕事はして頂いて構いません。
レーザー治療後は、残っている病変がないか、新しく上皮内腫瘍が発生しないかを定期的に(3か月毎程度)検診する必要があります。4-10%程度の方に再発が認められ、再度の治療が必要となることがあります。この場合は、再度、レーザー治療を行うか、或いは別の治療を考えるか、その時の状態により決定いたします。
まれに、レーザー治療中、治療後に気分が悪くなられる方や治療後に出血される方がありますので、一泊の入院治療で行います。レーザー治療後は特に異常がないことを確認して、翌日帰宅して頂きます。 |
| 《子宮体癌について》 |
| 子宮は上方の体部と下方の頸部に分けられます。子宮頸部上皮内腫瘍とは頸部の粘膜(上皮)の異常で、肉眼で見てもはっきりしませんが、拡大鏡や顕微鏡で観察すると分かる微小な異常です。上皮内腫瘍自体は身体の異常として自覚されることは少なく、直ちに命に関わる病気ではありません。これに対して、子宮頸部にできる癌を子宮頸癌と言いますが、これは出血の原因となったり、進行すると周囲の臓器を破壊したり、或いは遠隔転移をすることで命を脅かす病気です。 |
| 子宮体癌って、どこの癌? |
・子宮体癌は子宮体部(子宮の奥の方)の内側を覆う子宮内膜にできる癌です。子宮内膜癌とも言います。癌は主に子宮体部の筋肉の層(筋層)に入り込んだり、卵巣や子宮周辺の血管に沿って存在するリンパ節を通って広がります。
・従来、子宮体癌は欧米人に多く日本人には少ないと考えられてきましたが、近年増加しており、子宮頸癌に近い罹患数となってきています。 |
| どんな症状があるの? |
| ・閉経後にできることが多く、閉経後の不正出血が代表的な症状です。更年期のせいで不正出血が続いていると思っていたら癌だったということもあります。
これまで、40歳以下の人はまれでしたが、最近は若い人にも増えつつあるようです。閉経前では、月経の量が多い(過多月経)、月経不順、不正出血などの症状がみられます。 |
| どんな人にできるの? |
| ・癌の原因は正確には分かっていないため、すべての女性にできる可能性があります。特に注意する必要のあるのは、エストロゲンという女性ホルモンが癌の発生、進行に関係するため、妊娠出産の経験のない人、月経不順や無排卵であった人、更年期障害などの治療でエストロゲンだけを長期間使用した人などです。肥満、糖尿病、高血圧とも関係ありといわれています。また、一部では遺伝的なものが関係しており、血縁者に子宮体癌や大腸癌、その他の癌の人がいる時も要注意です。 |
| 子宮癌検診をうけていたら大丈夫なの? |
| ・いわゆる子宮癌検診(集団検診)は子宮頚癌の検診です。集団検診で異常がなくても子宮体癌がないとは限りません。しかし、集団検診受診者で問診により子宮体癌の疑われる症状のある場合には、二次検診として病院への受診をすすめられます。閉経前後で不正出血のある方は集団検診の結果に安心せず、病院で診察を受けられて下さい。医師の判断で、体癌の検査を行うことがあります。 |
| 子宮体癌の検査って、どんな検査なの?痛いって聞いたんだけど。 |
・膣からみる超音波検査で子宮内膜が厚くなっているか(癌が疑われるか)などを調べ(これは痛くない)、子宮内膜細胞診や子宮体部内膜生検で癌が存在するかどうかを調べます。こちらは若干の痛みを伴いますが、すぐに終わる検査なので通常は外来にて行う検査です。痛みがある検査なので、子宮癌検診を希望される方全員に行うわけではなく、医師が必要と判断した時に行います。
※子宮内膜細胞診:子宮の奥に羽のついた細い棒のようなものを挿入し、内膜の細胞を採取して顕微鏡でみて癌細胞かどうかを調べる方法。
※子宮体部内膜生検:子宮の奥にかぎ針のような棒を挿入し内膜を掻いて、組織 (細胞の塊)を採取して調べる精密検査。
|
| 早期発見はできるの? |
| 院で検査をうけても、ごく初期の場合みつからないこともあります。子宮内膜細胞診も子宮体部内膜生検も見えない子宮の中を手探りで行う検査なので、癌が小さい場合に癌細胞をつかまえ損なう場合があるからです。このため、一度検査を受けて異常がなかった場合でも症状が続く場合などには繰り返し検査を受ける必要があります。 |
| 子宮内膜細胞診や子宮体部内膜生検で癌の疑いがあると言われたんだけど? |
・検査で異常はあるがはっきり癌とは言えない場合、程度が軽ければ定期的に検査を繰り返して本当に癌がないかどうかを確認します。癌が疑われる場合には、子宮内膜全面掻爬を行います。
※子宮内膜全面掻爬:(流産の手術のように)内膜の全体を掻爬して組織を採取して調べます。これは麻酔をかけて行います。 |
| 子宮内膜増殖症と言われましたが? |
| ・子宮内膜増殖症は子宮体癌に進行することがあります。この異常の確認にも子宮内膜全面掻爬を行います。程度の軽いものでは自然にまたは少量のホルモン療法で正常に戻ることもあります。程度の強いもの(異型内膜増殖症)では、子宮体癌に進行したり、またすでに癌が隠れていることもあるので、原則的には子宮摘出が勧められます。 |
| 子宮体癌と言われました。まずどうするの? |
| ・まず癌がどれくらい広がっているか検査をします。内診、経膣超音波検査、胸写、腹部CT、骨盤MRI、腫瘍マーカーの採血などです。さらに安全に治療を行えるかどうか、血液検査、X線撮影、心電図などで心、肝、腎機能や合併症(高血圧、糖尿病、心疾患など)を調べます。その上でどの治療法が一番良いか検討します。 |
| どんな治療があるの? |
・治療は手術療法が基本です。
子宮と両側卵巣、卵管、リンパ節を摘出するのが基本の術式です。
摘出したものはすべて病理検査(顕微鏡で調べる検査)をおこない、癌のひろがりを調べます。その結果、癌がまだ残っている場合や残ってなくても再発の可能性が高い場合には、追加治療として、放射線療法や抗癌剤治療を行います。 |
| 治療すれば治るの? |
| ・当院における子宮体癌全体の過去10年間の平均5年生存率は79.0%です。初期であればさらに高い確率で治ります。癌が見つかったならば、できるだけ早急に適切な治療を受けましょう。 |
|
| 《子宮癌以外の子宮腫瘍について》 |
子宮頸癌や子宮体癌以外の子宮腫瘍には子宮筋腫、子宮腺筋症といった良性のものや子宮肉腫といった悪性のものがあります。
子宮腫瘍の大きさは、小は顕微鏡的なものから、大は10kgのものまであり、大きさによって症状が違います。症状は過多月経、不正性器出血(特に閉経後の不正出血)、下腹部痛、下腹部膨満感、頻尿、不妊などがあります。しかし、腫瘍が小さい場合は症状が出ないことがあります。検査は内診、超音波検査、血液検査、CTやMRI検査を行います。当科の外来では内診と超音波検査を行い、CTやMRI検査は後日、放射線科で行います。いろいろな検査結果より子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮肉腫、またはその他の病気かどうかを診断します。
しかし、いろいろな検査を行っても診断を確定できないことがあり、最終診断は手術を行い、摘出した子宮の顕微鏡検査で行います。治療方法は、外来の検査で子宮筋腫や子宮腺筋症と診断した場合で、症状がほとんどなく筋腫や腺筋症が小さい時は3ヶ月から6ヶ月間のホルモン治療を行います。症状が強いときや筋腫や腺筋症が大きい時は子宮を摘出する手術(単純子宮全摘術)を行います。また、子宮肉腫が疑われたときも子宮を摘出する手術(単純子宮全摘術)を行います。但し、今後妊娠の可能性がある場合は、筋腫の大きさや出来た場所によっては筋腫を子宮からくり抜く手術(子宮筋腫核出術)を行います。
いろいろな検査の結果や手術時に子宮肉腫と診断した場合は、子宮と両側の卵巣と卵管を摘出する手術(単純子宮全摘術+両側付属器摘出術)と骨盤内のリンパ節を摘出(骨盤内リンパ節廓清)を行います。子宮肉腫であれば、開腹術後に化学療法(抗癌剤治療)を行います。 |
| 《卵巣腫瘍について》 |
| 卵巣腫瘍って、なに?どこにできるの? |
・卵巣は子宮のすぐ横に左右ふたつある、そらまめ程の大きさの臓器です。 腹腔(お腹の空洞)の底にあり、腸管(小腸、大腸)と同じ空間にあります。この卵巣から発生する腫瘍が卵巣腫瘍ですが、良性腫瘍や悪性腫瘍(卵巣癌)、そしてそのどちらかはっきりとしないと考えられる腫瘍まで、非常に多くの種類の腫瘍があります。
また、閉経前の女性では排卵に関連して卵巣がはれる事もあります。これは自然になおります。また、生理の時に出血と共に剥がれ落ちる子宮の内側の膜が卵巣にもあることがあり、卵巣に出血が貯まってはれる事もあります(子宮内膜症)。 |
| どんな症状があるの? |
・症状が出にくい腫瘍です。何も症状がないことも珍しくはありません。
比較的多い症状としては、
1.下腹痛(腫れた卵巣がねじれて強い痛みが出る事があります。また、卵巣腫瘍から出血したり、中に液体のたまるような腫瘍が破れて、痛みがでる事があります。子宮内膜症によるものは、生理にともなって痛む事もあります。)
2.腹部膨満感、下腹部のしこり(大きな腫瘍ができたため、下腹が出てきたりすることがあります。また、お腹に水が貯まることにより、お腹全体が大きくはれるような事もあります。)
3.性器出血(卵巣腫瘍の中には、不正な出血の原因となるものがあります。) |
| どんな人にできるの? |
| ・腫瘍発生の原因は正確にはわかっていないため、すべての女性にできる可能性があります。若い女性に発生しやすい腫瘍や、閉経後の女性に多いような腫瘍もあります。卵巣癌は一般的には40代以降の女性に多く、妊娠出産が少ない人、卵巣機能異常をともなう人、肥満、喫煙、糖尿病、高血圧などとも関連があるそうです。また、一部では遺伝的なものが関連しており、血縁者に卵巣癌、子宮体癌、乳癌、大腸癌、その他の癌の人がいる時も要注意です。 |
| 卵巣腫瘍の検査って、どんな検査なの? |
| ・婦人科での診察(内診)や超音波の検査などで、ある程度大きくなった卵巣腫瘍はわかります。(小さな腫瘍の場合、非常に見つけにくい場合もあります。)お腹の中にある腫瘍なので、それが実際どのような腫瘍であるか(良性なのか、悪性なのか)はわかりません。例えば、大腸の腫瘍であれば、大腸の内視鏡検査で直接あやしい所をかじり取り、良性のポリープか悪性のガンであるかを確認した上で治療を行います。しかし、卵巣はそのような検査がお腹の中にあるためできません。そのため、超音波検査、CT検査、MRI検査などの画像検査でその見え方を調べて、どのような種類の腫瘍か(良性腫瘍の可能性が高いか、悪性腫瘍の可能性が高いかを)推測します。また、一部の腫瘍では血液検査で特殊な蛋白(腫瘍マーカー)が高くなることがあり、診断の助けになります。最終的には手術を行った上で、腫瘍を摘出してすぐに顕微鏡の検査を行い、それがどんな種類の腫瘍なのか、良性なのか悪性なのかを手術中に判断して手術の方針を決定することが多いです。 |
| 早期発見はできるの? |
| ・お腹のなかにあり症状が出にくいので、見つけにくいことが多い腫瘍です。 卵巣癌をなるべく早く見つけるためには、婦人科の内診や超音波検査を受けるのが一番です。とくに40代以上の女性に、卵巣癌の頻度は高くなります。できれば1年に1度は婦人科の検診を受ける事をお勧めします。 |
| 卵巣腫瘍が見つかりました。まずどうするの? |
| ・まず、内診、超音波の検査をおこないます。小さく、悪性の可能性が極めて低いものは、経過観察する事もあります。卵巣の腫瘍が考えられる場合は、CT検査(場合によりMRI検査)、血液検査などを追加で行います。最終的には手術を行った上でどのような腫瘍か判断することが多いので、安全に手術をおこなえるかどうか、血液検査、胸のX線検査、心電図などで全身の状態を調べます。 |
| 治療はどのようにするの? |
・治療は手術療法が基本です。
良性腫瘍であれば、腫れた腫瘍だけを切除したり、腫れた卵巣を摘出したりするだけで、治療は終了します。術後約2週間程度の入院を要します。術後も一回検診をするだけで終了です。
良性悪性のはっきりしない腫瘍(境界悪性腫瘍)や悪性腫瘍(卵巣癌)の場合、子宮、両側の卵巣と卵管、リンパ節、大網(お腹の表面を覆う脂肪の網)や虫垂(いわゆる盲腸)を取る手術が標準の手術方法です。
卵巣癌などの悪性腫瘍の場合は、術後に追加の治療(主に抗癌剤の治療)を行うことが多いです。そのため、入院して治療を行う期間も長くなります。一般に卵巣癌は非常に抗癌剤が効きやすい種類の腫瘍であり、手術と抗癌剤の治療の両者を行う事で治療成績があがり、治る人も増加してきています。
良性とも悪性ともはっきりしない腫瘍や悪性腫瘍の場合は、治療終了したあとも定期検診を行います。最初の1年は毎月一回、以後少しずつ検診の間隔はのばしながら検診してゆきます。
|
|
| 《外陰癌について》 |
| 外陰癌とは? |
外陰部にできる癌のことで、その70%は大陰唇や小陰唇から発生します。婦人科癌のなかでも比較的まれな癌で、高齢の方に多く、70歳以上の患者さんが半数をしめます。あまり症状があらわれないのですが、外陰部に腫瘤を認めたり、かゆみがあったり、排尿時にしみる感じがするなどの症状が認められます。この病気が疑われた時には、診察の時に外陰の皮膚の一部を切り取る検査をおこなうことで、ほかの病気と鑑別します。
同じような症状、状態を呈する病気としてほかに以下のものがあげられます。バルトリン腺嚢胞(外陰部の皮下にできる良性の嚢胞)、尖圭コンジローマ(ウイルス感染症の一種で、外陰部に腫瘤をつくる)、外陰ジストロフィー(皮膚の良性変化)、ベーチェット病(原因不明の外陰部の潰瘍性病変)。 |
| 外陰癌の治療は? |
外陰癌の治療は、手術療法が主体ですが、放射線治療がよいこともあります。手術については年令、進行度、組織型などを考慮して決めますが、高齢の患者さんでもなるべく手術で切除していきます。手術方法は外陰部分切除(腫瘍周囲を摘出する、比較的小さい手術)、広汎外陰摘出術(大きく外陰部を摘出する手術)と鼠径部リンパ節郭清(転移をしそうなリンパ節をとる手術)を使い分けます。外陰部の皮膚の欠損が大きい場合は筋皮弁をとりいれた、皮膚の再建術を行うこともあります。外陰部の手術では、他の手術の時に起こりうる合併症の他に、創の部分が細菌にさらされやすいためにおこる創感染が起こりえます。リンパ節の転移が認められる場合には、手術後に放射線治療が必要となることがあります。周囲に広がった癌については、放射線治療や抗癌剤治療を主体とした治療を行うことが多いです。
早期の外陰癌では70〜80%は治ります。 |
|
|
 |
COPYRIGHT(C), 1998-2004
九州がんセンター(情報提供:情報委員会事務局)
〒811-1395福岡県福岡市南区野多目3丁目1番1号
FAX:092-551-4585 TEL:092-541-3231
E-mail:webadmin@nk-cc.go.jp
|
|
 |
|
 |
 |
|
 |